微睡みの中

週末に彼女は薬を大量服用して、様子がおかしくなった。
昨晩、ようやく本来の彼女らしくなったので、安心してしまったのか、いつの間にか炬燵で寝てしまっていた。
考えてみれば当たり前だ。私は土曜日から合わせて10時間足らずしか寝ていなかったのだから。


朝、目を覚ましたら、ベッドの上だった。いつ移ったのだろう。それとも彼女が運んでくれたのだろうか。
覚えている事は、殆ど無い。
ただ、一つを除いて。


「そんなになるまで心配掛けてごめん。」
彼女は私の体を抱きしめてそう呟いていた。


それは夢か現か判らないけれども、ただひたすらに暖かかった。