早く帰って、メッセ立ち上げたら、「三十路」コールラッシュ。
事前情報と違って、今日がボーナス支給日だったからそんなこと忘れてたのに。


三十路です。

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酷く混雑した車内に響く男の怒号。
「人の膝に荷物置いてんじゃねぇよ!」
「おいてません。」
弱い声で女の子が反論した。


何?座ってる男が立ってる子に文句付けてるの?これだけ混雑していたら、女の子なんかは、立ってるだけでも大変だろう?
ムカついて、その男を捜そうとしたが、混みすぎていて見えなかった。
ただ、乗客の大半が厳しい表情で座席のある一点を睨んでいたので、その男の場所は判った。


周りからの無言の圧力のせいか、男はもう何も言わなかったが、どうしてそういう言葉が出るのだろうか。
情けないというか、悲しいというか。


ただ、そのやりとりで周りの乗客が一様に怒りの表情を見せたことは、捨てたもんじゃないなと思えた。
俺も腹を立てた一人だが、あの空気の変わり方は、恐ろしいものがあった。ほとんど殺気。
それぐらいじゃないと抑止力にならないと思うけど。



昨日、友人達に「電車男のような出会いをするよ!」とか、三十路の抱負を語ってみたが、いきなり無理なんじゃないかと思ってしまった。どうやら田園都市線の乗客は、真っ当な人が多いようだし。
開始当日に挫折というのもまた俺らしい。
まあ、出会いだなんだっていうのは、基本的にどうでもいい。他にもっと課題があるし。


人間そう変わる訳でもないし、これからも、焦らずゆっくりやっていこう。時間はたっぷりある。