僕があまりにキモいから
これって、相手の男が、キモ系の男だったとしか思えない。いくらなんでもこの反応はひどい気がするよ。
朝日は記事があまり長く残らないから、一応、全文転載。
13日午後1時半ごろ、大阪府豊中市待兼山町の路上で、同市立中学1年の女子生徒(12)が、後ろから近寄ってきた男に「コンビニを知らんか、教えてくれ」と声をかけられ、「ごみがついてる」と髪の毛をむりやり触られた。女子生徒は逃げて自宅に帰り、母親が大阪府警豊中署に通報した。女子生徒にけがはなかった。同署は暴行容疑で調べている。 (2004/07/14)
ということで、妄想してみる(また下らない事を…)。
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今日も暑いな。原田祐介は額の汗を拭いながら、天を仰いだ。
今年で27になる彼は、地元のディーラーに入社して4年目になる。
自分は、口の立つわけでもなく、頭が切れるわけでもない。そんな自分が、一浪したものの、なんとか地元の公立大学に入り、無事4年で卒業できた。就職難の中、今の会社に入れたことも幸運だと思うし、自分には不向きだと思う外回りの営業職とは言え、職場の雰囲気だって良い。
悪くないじゃないか。
そう、自分は昔から老け顔で、小学校の頃から渾名が「オヤジ」だった。クラスの女子には「キモい」と陰口を叩かれていたことも知っている。確かに、自分が女だったらこんな顔の男は嫌だなと思う。
それでも、大学4年の時に、自分が所属していた温泉同好会の後輩と付き合う事になった。もう5年になるが、彼女は自分のことが嫌になったそぶりもなく、順調に交際を重ね、そろそろ結婚という話も出てきている。
周りの友達は、「一人としか付き合った事ないなんて、今時珍しい。」とか、「オヤジらしくて古風。」とかいうが、こんなにも冴えない自分を大切にしてくれるなんて、他の人では考えられない。うん。俺は幸せだ。
涼子のためにももっと頑張らないと。
気がつけば1時をまわっていた。この辺りは住宅街だから、食事を取るところも少ないだろう。コンビニでもあれば、おにぎりでも買って、公園かベンチでも見つけてそこで食べよう。
コンビニは何処にあるんだろう。
ふと、前を見たら、中学生らしい女の子がいた。
‐そうだ。あの子に聞こう。
そう思って、祐介は足を速めた。
坂下遥は、学校から家に向かって歩きながら、こんなに晴れているのに真っ直ぐ家に帰らないといけないなんて不公平だと思っていた。
家に帰ったからって、お母さんは「勉強しろ。勉強しろ。」ってうるさいし、他の友達なんて、「今日、どこに遊びに行こうか。」って相談してたのに。どうしてあたしだけ。
あたしだって、もっと遊びたいし、他の子みたいに男の子とどこかに遊びに行ったりとかしてみたいよ。あたしだって、きっとそんなにモテないほうじゃないと思うのよね。
そりゃ、ミキとかユウにはかなわないかもしれないけど、そう、クラスの中じゃその次ぐらいにはと思うのよね。
ホント、家になんかいても全然楽しくない。それにお父さんが帰ってくると、気持ち悪くて仕方がないのよね。あんなオヤジ、ずっと仕事から帰ってこないといいのに。
なんか汚いしさ、お酒の臭いなのか煙草の臭いなのかわかんないけど、中年特有の汚らしい臭い。寄るなって言ってるのに、「遥、遥」ってうるさいんだよ。何でうちのお父さんはあんなのかな。テレビに出てる芸能人みたいなもっとカッコいい大人だったら良かったのに。
ふと、後ろを振り返って、背広姿の男が少し早足で遥に向かって歩いてきていることに気がついた。
‐何、あのオヤジ。汗だくで気持ち悪い。
そう思った瞬間、彼が遥の目を見て、少し笑みを浮かべて口を開いた。
‐なに?やだ!そういえば、最近、中学生の女の子がって、よくテレビで言ってるし、お母さんだって気をつけなさいって言ってた。これって、もしかして。
「コンビニを知らんか、教えてくれ」と、そのオヤジは言った。
遙が凍りついたように体を固くしていると、そいつは気味の悪い笑顔を浮かべながら、「ごみがついてる」と、髪に触れてきた。
‐助けて!
その瞬間、遥は弾かれた様に悲鳴を上げながら走り出した。
祐介は、呆然としながら、走り行く女の子を見ていた。
どうしたんだろう。何か悪い事をしたかな?
確かに俺はブ男だし、これだけ汗もかいていたら、ただでさえ思春期の女の子には気持ちが悪いんだろうな。
祐介は、学生時代の頃を思い出して、少し暗い気持ちになったが、まだ廻らなければいけないお得意様もいる事を思い出し、歩き始めた。
そう、家に帰ったら、涼子もいることだし、頑張らないと。彼女とは、一月ほど前に、一緒に住み始めたばかりだ。自分が自分の家族を作れるだなんて思った事もなかった人生だったら、それを初めて実感して、今は本当に幸せでならない。
そう、俺はもっと仕事を頑張らないと。
翌朝、涼子と朝食を食べながら、新聞に目を通していると、こんな記事が目に入ってきた。
13日午後1時半ごろ、大阪府豊中市待兼山町の路上で、同市立中学1年の女子生徒(12)が、後ろから近寄ってきた男に「コンビニを知らんか、教えてくれ」と声をかけられ、「ごみがついてる」と髪の毛をむりやり触られた。女子生徒は逃げて自宅に帰り、母親が大阪府警豊中署に通報した。女子生徒にけがはなかった。同署は暴行容疑で調べている。 (2004/07/14)
‐これは俺の事?暴行容疑って?
頭の中でパニックを起こし、凍り付いている祐介に、涼子が、「どうしたの?」と声を掛けてきた。
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わー!救いようがない!
自分で書いておいてなんですがね・・・。
それより、これは本サイトで書けという話だな。そのうちあっちに転載します。
一応、妄想部は、完全フィクションで、登場人物も架空ですよ。
つか、女の子パートを書くのって結構大変と思いました。